京都議定書きょう発効

発効したのはいいけど、削減目標達成がほとんど無理と言っていい現状をどうするのだろうか。そこのライオンみたいな髪した奴、自分の手柄みたいに喋ってる場合じゃないぞ。
個人的には議定書自体の有効性にもちょっと疑問がある。先進国は、自国の経済を停滞させるリスクを負って削減努力するより、排出権売買で上げ底する方がお手軽。企業にしても、工場などの途上国進出を進めれば、国内での排出量は削減したと実績を作れる。結局のところ、一番手っ取り早く目標達成する方法は問題を先延ばしにすることだとなってしまう。
対策の一環として風力や太陽光エネルギーの利用施設が増えてるっぽいけど、既存施設からの転換や新たな発電施設の作成、耐久年数、その後に発生する廃棄物などをトータルに考えた場合の環境負荷ってどうなってるんだろう? クリーンエネルギーを謳っても、トータルで環境的に赤字になっていたら本末転倒。一応、家庭向け太陽光発電は数年前にプラスにできるようになったと聞いた気がするのだが……。
そう言えば以前、環境科学の教授に面白い話を聞いた。東京都はNOxやSPM*1への対策としてディーゼル車規制を行ったが、逆に欧州の都市ではディーゼル車の使用が奨励されているのだとか。その理由は「燃費がいい」=CO2排出量が少なくなり温暖化対策になる、からだそうである。何をより重視するかという問題なのだろうけど、一方的な視点でものを見るべきではないという好例であると思う。

*1:Suspended Particulate Matter:浮遊粒子状物質